谷口さんの名刺に書かれていた「a hint of 」意味はかすかに感じるという意味で、そこから気づきにくいものに気づきたいという思いから付けられたそうです。目立たないけどよく見ると微妙に複雑でじわじわと心の中に入ってくるものを作りたい、そういうものを心を一歩踏み込ませて見て欲しいという思いが入っています。
そういった思いは今回のタイトル「白い澱み」にも共通していると思います。目に見えるのに掴めない存在、雲、湯気、陽炎。日常、よく目にするけれどじっくり見たことはない。けれど、よく見て見ると微妙に複雑で糸を使用した作品として表現しにくいもの。
私も谷口さんの作品を拝見して、一緒に空間を作って、毎日、SNSでアップするたびに説明する言葉がうまく浮かんできませんでした。それはやはり、言葉より実際に作品に触れて、そこから感じてもらいたいと強く思ったからに違いありません。
来て下さったお客様も糸の繊細さ、そしてそれを表現するための技術力、作品から伝わる力、刺激される想像力、きっと伝わったと思っています。そしてこれからももっと谷口作品を見たいと思われたと思います。
来て下さったお客様やご紹介下さった皆様、ありがとうございました。
最後に素晴らしい作品を発表して頂いた谷口さんに感謝申し上げます。